機械編み講師の母の影響か、私は小さなころから「作ること」に情熱を燃やしていました。

手あたり次第、作ってみたくてしょうがなかった子供時代。
小学生向け月刊誌の付録作りが原点でしょうか。

その後は母に手編みや機械編みを習ったり、
洋裁と和裁の達人でもある母から針仕事やミシンかけを習ったり。

お菓子作りにハマって高校生の時には毎週末ガスオーブンと格闘していました。

今思うと、文句も言わず材料を用意しておいてくれて、味見と感想を強要する私に付き合ってくれた両親に感謝です。
大量に消費したバター、高かったよね。多分。

そうそう。
当時はありがたいとも思わなかったけれど、手芸材料も家に何でもありましたし、私が「作りたい!」と言えば、高級毛糸も買ってくれたっけね。
母はいつも私にこう言ってくれました。
「毛糸はね、いい物を使わないと駄目だよ。編みやすさと仕上がりが違うし、何より仕上がったセーターは毛玉もできなくて結局長持ちするからね。いい毛糸を使いなさい。」
決して裕福ではなかったと思うけれど、私の作りたい欲には付き合ってくれた。
母の編み物教室の稼ぎから、私に毛糸を買ってくれました。

ある意味、とても贅沢な少女時代を過ごさせてもらったと思います。

そんな私が母になり、
作りたい欲は増すばかり。

子供が生まれてからは子供服作りに没頭しました。
小さなベビー服を作っては最高にかわいいと眺め。
小さなカーディガンを編んではこれまた素敵と悦に入っていました。
これは20数年前の話。

少しずつ子供が大きくなって
キャラクターものが刺しゅうできるミシンを買い、喜ぶ子供の顔が見たいと保育園グッズに刺しゅう。子供がね、喜ぶんですよ。ミニーちゃんとかキティちゃんとか。

その後は大人服作りへと移行して、自分用に友達用に洋服作り。
友達が喜んでくれたもので気を良くしてヤフオクへ参入。
月に数着作って材料費を賄う程度に活動していました。
ここまでは、どちらかと言うと内向きな理由で手作りを楽しむ人生でした。

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その後2013年にminneと出会い、私の人生変わったなーと思います。
私が外に向けて手作りをするきっかけを作ってくれたのがminneです。
数着の洋服を登録してすぐにご注文をいただいたのがとても嬉しかったのを覚えています。
今では 延べ1600人以上の方に私の洋服を着ていただいて、 本当に毎日作る喜びに浸かっています。
喜びに浸る(ひたる)のではなく、頭まで浸かって(つかって)います。
こんな私は幸せ者です。
お客様の喜んでくださる様子に私の心は満たされています。


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数年前、長女が芸術系の大学に入学して、彼女も制作の日々に没頭している様子です。

先日、2週間の予定で むすめがアメリカへ研修旅行へ出かけました。全く連絡をよこさなかったけれど「今から帰る」と先ほどLINE。
アメリカに住みたくなるほどの充実感だったそうです。

そして
今回の研修旅行代金は全部私のお仕事の成果からお支払いしました。
こんなに嬉しいことはありません。
皆さまにcrochetpicotの洋服を選んでいただいたおかげです。
ありがとうございます。

思う存分作らせてやりたい。

とことんまで作ってみたらよい。

私がそうだったように、むすめにも作る人生を楽しんでほしい。

そして今、私は、私を育ててくれた母の気持ちが初めて分かります。

「むすめに経験させてあげられてよかった。」と言う事を。
まずは両親よありがとう。

そしてあの時、思い切ってminneに登録した自分を褒めたい。
こんな風に広がっていく世界が待っていた。
この先もミシンをかけて生きていきます。

みなさまありがとうございます。

crochetpicot鈴木麻美子